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コラム

2021-02-10

第1期 SCALE PR ACADEMY閉講式

 
PRパーソンが、第一線で活躍する客員講師陣から、広報・PRの考え方や実践で役立つ術などを継続して学び続けられる場として2020年6月に開講した「SCALE PR ACADEMY」。

当初の想定では4月からリアルイベントとして開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大という予期せぬ事態が生じ、開催時期を6月に後ろ倒してからオンラインによる開催となった。

それでもSCALE Founder/Dean of Academyの本田が、様々な有識者らとともに独自開発した5つのコンピテンシーモデルをもとに、毎回内容の濃い有意義なセッションが行われ、11月の最終回をもって無事全てのプログラムが終了した。
 

 
今期のアカデミー閉講に伴い、12月18日には「第1期 SCALEACADEMY閉講式」を敢行。

今年実施したプログラムの総括や、2021年におけるPRの展望についてゲストを招いたスペシャルトークセッションが行われた。
 

SCALE PR ACADEMY 第1期の振り返り

 

 
まず、本田がSCALE PR ACADEMY 第1期の振り返りとして、5つのコンピテンシーモデルをテーマにした各セッションを総括した。

各回の詳細はリンク先URLを参照いただき、理解を深めてもらえればと思う。
 

マルチ憑依力

 
https://scale-pr.com/column/dLEEk

先を見据えづらい世の中になった今、PRパーソンに求められるのは多様なステークホルダーのインサイトを理解し、どんな状況下であっても柔軟にコミュニケーションの仕方を変え、ニーズに合わせてスイッチングしていく「マルチ憑依力」だ。

Business Insider Japan統括編集長の浜田氏は、アメリカで起きたBlack Lives Matter運動に対し、明暗を分けた企業対応についてジャーナリストの視点から紐解いた。

また、メディアの編集長として日々ニュースを発信する中で、時流を汲んだ上での”半歩先”のアイディアのを重要性を説く。

読者のインサイトや感情が、まだ言葉として表出していない「モヤモヤ感」を、いかに言い得て妙な言葉や表現に落とし込めるかが広報PRの腕を見せどころだと語った。

後半は株式会社メルカリでPRチームのマネージャーを務める矢嶋氏が、広報実務の現場で意識したい「多様なステークホルダーとの関係性構築」について話した。

ステークホルダーはメディアだけでなく、ユーザーや従業員、取引先、株主など実に多様な関係のもとで構成されている。PRパーソンは、各ステークホルダーを取り巻く状況を把握し、一貫性のあるスタンスやメッセージをステークホルダーに対して発信していくことが求められると説明した。
 

背負い力

 
https://scale-pr.com/column/HBJIp

「背負い力」は、企業やブランドを背負う“代弁者”としてPRパーソンが振る舞うために必要なコンピテンシーだ。

常にPR主体の「代弁者=スポークスパーソン」としての意識を持ち、ブランドマネジメントの観点からアクションを起こす必要があるだろう。

マーケティングのプロフェッショナルである音部氏(クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役)は、「組織の成長にはブランドマネジメントの要素が不可欠だ」と述べ、
ブランドの“意味管理”や“意味作り”といった視点から、ブランドを背負ってPRに取り組む上で、ブランドマネジメントの真髄を理解しておくことの大切さを説いた。

また、サイバーエージェントで広報責任者を担う上村氏は、SNSが発達したことで企業を取り巻く環境を“ガラス張りの状態”と表現した。

良くも悪くも、企業や商品の情報は簡単に調べられ、またSNSで容易にシェアされるようになった。

裏を返せば常に炎上リスクに晒されており、誤ったコミュニケーションをしてしまえば、ブランド毀損の恐れも生じるわけだ。

PRパーソンは常に世の中の時流を汲み、どんなリスクリターンがあるのかを想定しながら、社会と企業・商品とのコミュニケーションを構築していかなければならないだろう。
 

見立て力

 
https://scale-pr.com/column/Bo9HK

PRパーソンは、企業やブランドと社会との間に立ち、大局的な視点から世の中の文脈を理解し、PR視点に立った最適解を見いだすための「見立て力」を備えることが大切だ。

刻一刻と変化する世の中の“風”を読み、今の「状況」や「現象」をどう見立てればいいのかという発想が重要になってくる。

博報堂ケトルの嶋氏は「今の時代は『マーケティングのPR化』といわれており、PRのみならず広告やマーケティングでもPR発想のコミュニケーションが求められている」と説明した。

また、社会的背景や現象の中で、企業の商品やサービスを広く伝えていくために「社会記号」という捉え方を例示し、メディアが注目する切り口を考えることの大切さを述べた。

後半では、メルカリの矢嶋氏が広報実務の現場で必要な見立て力について「受け手の関心ごとに合わせて『見立てる』ことが大事」と説いた。

メルカリのPR事例をもとに、ニュース価値の最大化に必要な要素や見立て力を身につけるためのTIPSについて語り、普段の広報実務でも活かせる知見を学ぶセッションとなった。
 

ナラティブ力

 
https://scale-pr.com/column/DgNwb

ナラティブな発想やストーリーテリングが、近年注目されていることからわかるように、PRパーソンもダイナミックで魅力的な脚本設計をするための「ナラティブ力」が
肝心要となっている。

SCALE PR ACADEMYを主宰する本田は、「ナラティブ」と「ストーリー」の違いやナラティブを体現したPR事例について説明し、ナラティブなPRコミュニケーションを
筋道立てて創るためのヒントを語った。

また、PRエージェンシーのマテリアルにて、Executive Storytellerとして活躍する関氏は、「ダイナミックなストーリーテリングは、端的に述べると『ブランドや企業のビジネス目標を実現させるためにステークホルダーと望ましい合意形成を作り出すこと』だと捉えている」と説明する。

加えて、関氏がナラティブの感覚を掴むために日々の業務で意識したい4つのポイントを述べ、PRパーソンがナラティブ発想を身につけるためにまずは抑えたい要素をまとめた。
 

変動実行力

 
https://scale-pr.com/column/Gi0T0

先行き不透明な社会だからこそ、常に変化が起こることをあらかじめ想定し、緻密なシナリオ設計と柔軟な対応を両立させる「変動実行力」がPRパーソンに求められる。

ファミリーマート CMOの足立氏は、一流のマーケッターとしてのマインドセットやゲーム感覚で仕事を楽しむことの大切さを語った。

さらに変動実行力を身につけるための3つのプロセスを述べ、信頼されるPRパーソンの条件に「マーケッターとして、マーケティング戦略の全体感を意識したクライアントとコミュニケーションができること」を挙げた。

そして、後半のマテリアル関氏のセッションでは世の中の状況が変わることを前提にした企画書の立て方や、プロジェクトを進めていく上で役立つTipsを紹介した。

「企画書を止めるな!」と題し、常に社会を見続けながら企画書を進化させていくことの重要性を説くとともに、事前に起きうるストーリーを想定した上でA案B案C案といった3段階のプランを用意しておくなど、緻密なプランニングが必要であることにも言及した。
 

アカデミー受講生の感想や実務で活かせたこと

 
5つのコンピテンシーモデルに沿った各セッションの振り返りをした後には、実際に講義へ参加した受講生によるトークセッションが行われた。

登壇したのは上場企業で広報の仕事を務める村田善直さんと、フリーランスのPRパーソンとして働く乙坂章子さん。いずれもSCALE PR ACADEMYの全セッションに参加した受講生であり、リアルな感想や実際に業務で役立ったこと、今後のSCALEに期待することなどについて話す場となった。(インタビュアーは事務局の大迫が務めた)

まず、アカデミーのセッションを受講した感想について伺った。
 

 
乙坂さんは「 SCALEならではの豪華講師陣が、画面越しに自分の前で話してくれるのは本当にすごいと思った」と感想を述べた。

「普段なら出会えないような、業界を引っ張っている講師の方たちのセッションが無料で受講できるのはとても良かった。もともと私はフリーのアナウンサーとして活動してきて、PRに携わるようになってからも、あくまで『自分のやり方』でキャリアを積み重ねてきたので、今回のようなアカデミーで学べる環境はとても嬉しいし、知見を得る機会にもなる。印象に残っているのはメルカリの矢嶋さんが『誰に言わすかが重要』とセッションの中で説明されていたこと。仕事柄、イベントでのキャスティングに関わることも多いのですが、『本当にこの人でいいのか』と考えるようになった」(乙坂さん)
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古田島大介

ライター
2014年2月に「The life always new」をコンセプトにCINDERELLAを創業。ジャンルに問わず、キュレーションメディアやSEOライティング、タイトルワーク、記事ネタ出しなどに携わる。 最近では取材ライターとして国内外の観光スポットやイベントに足を運んだり、企業ブランド・サービスのインタビュー取材を主に従事。 またSNSや繋がりのあるPR会社から送られるプレスリリースをもとに、執筆依頼をいただく場合もあり、活動は多岐にわたる。 モットーはメジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ること。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に社会のA面B面を深堀していく。
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