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コラム

2023-06-08

SCALE PR MEETUP 2023 & PR ACADEMY 第4期「開講式」

 

PRネタを探しにいくのではなく、経営の視座を持つ重要性

 
社内における広報・PRの役割やインターナルコミュニケーションで工夫している点についても、本セッションで深掘りしていった。

マクアケでは、企業文化の形成を担うカルチャー部門がPR部門に内包されており、全社で集まる総会やアワード、朝会などの設計を行っているという。

「社員数50名規模の頃にカルチャー部門を新設した」と話す坊垣氏は、カルチャー部門が人事と密接に連携しながら取り組んでいることについて、このように説明する。

「人事としてはやりづらい、言いづらいことも、社内カルチャーの形成においてリーダーシップを発揮するカルチャー推進の担当者が、カルチャーの浸透につながる提案を別角度で行っています。もちろん、人事とカルチャー部門はエンゲージメントサーベイを共有するなど、しっかりと連携して足並みを揃えながら、全員が集まる場の設計に従事しているんです。

マクアケの場合、企業カルチャーの醸成については人事戦略と切り離して考えており、社外PRも社内PRも、コミュニケーション部門の管轄に入れているのは、他の会社ではあまり見られない体制なのかもしれません」

上司や部下、部署間を超えて交流できる部活動も盛んで、共通の趣味を通じて社員同士が仲良くなることで、風通しのいい組織づくりを行っているという。

本田は「最初からPRが事業成長に組み込まれているのが、マクアケの大きな特徴」とコメントした。

セッションの後半では、経営の立場から見るPRパーソンに必要なスキルや経験を坊垣氏に聞いていった。

「PRと経営をいかに繋ぐかが重要な観点である」

そう語る坊垣氏は、PRパーソンが経営の視座を持つことの大切さについて説いた。
 

 
「ただ単にプレスリリースを書いたり、メディアプロモートしたりするのではなく、会社全体の経営戦略に紐づくサービスのブランディングやマーケティングがあり、経営計画の中で今期やるべきPR施策は何か。どのようなメディア露出をすればサービスのバリューアップに寄与するかなど、上流からPRを考える視点を抑えた上で、実際のエグゼキューションを行っていくのが理想だと言えるでしょう」

PRパーソンは、IR部門や経営層とコミュニケーションを図り、事業の方向性やサービスのブランディングなどを意識的に深掘りしていくことで、自ずとPRネタとして発信できるものも増えてくるわけだ。

「発信できるネタから入るのでなく、経営層の考えや思想を理解する働きかけを常に行っていくこと。そうすることで、経営層もPRに対する感度が上がり、良いループが回っていきます」(坊垣氏)
 

広報・PRは企業成長の土台を担うもの

 
最後に坊垣氏は、マクアケの企業成長とPRの関係性について、次のようにまとめた。

「本来、クラウドファンディングは、新しいプロジェクトやコンテンツ、サービス、文化が生まれるきっかけになるわけですが、日本においては『クラウドファンディング=寄付サイト』のイメージが強かった。そのパーセプションを変えるために、『応援購入』や『0次流通』といったマクアケならではの言葉を創出し、PRに取り組んできました。

PRは企業成長の土台を担うものであり、重要性が高いものだと捉えています。まさに経営と近い領域であり、その役割は非常に大きいものだと言えるでしょう。ぜひこのSCALE PR ACADEMYを受講してPRパーソンとしての素養を身につけるといいのではないでしょうか」
 

 
後半はSCALE PR ACADEMY 第4期の開講式が行われ、全5回に渡るセッションの詳細がアナウンスされた。

今年度もSCALEが独自に開発した5つのコンピテンシーモデルに沿って、客員講師陣らが全5回の講義を実施する。
 

 
第1回「多様性の時代」におけるメディアの在り方と伝え方 - マルチ憑依力 -
〈日時〉
 5月24日(水)15:30〜17:45
〈講師〉
 佐々木 紀彦(PIVOT株式会社 代表取締役社長/CEO)
 日比谷 尚武(kipples 代表)
 三浦 純揮(株式会社ニューステクノロジー 代表取締役)

第2回「ブランド」を意味づける広報PRの役割とは? - 背負い力 -
〈日時〉
 6月28日(水)16:00~18:00
〈講師〉
 音部 大輔(株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役)
 下村 彩紀子(食べチョク/株式会社ビビッドガーデン 広報PR責任者)

第3回 社会潮流やトレンドを味方にする「編集力」の磨き方 - 見立て力 -
〈日時〉
 7月25日(火)16:00~18:00
〈講師〉
 嶋 浩一郎(株式会社博報堂 執行役員/株式会社博報堂ケトル 取締役 クリエイティブディレクター 編集者)
 小林 大地(The Breakthrough Company GO クリエイティブディレクター/プランナー)

第4回 企業と生活者が共に紡ぐ「物語」の力 - ナラティブ力 -
〈日時〉
 8月23日(水)16:00~18:00
〈講師〉
 本田 哲也(株式会社本田事務所 代表取締役)
 中澤 理香(株式会社10X 取締役CCO)

第5回 「状況」は変わる。柔軟なシナリオ設計と実行する力とは? - 変動実行力 -
〈日時〉
 9月22日(金)16:00~18:00
〈講師〉
 吉宮 拓(株式会社プラップジャパン 取締役 コミュニケーションサービス統括本部長 メディアトレーニング シニアトレーナー)
 伊東 由理(Zホールディングス株式会社 執行役員コーポレートコミュニケーション統括部長 兼 LINE株式会社 執行役員 広報室長)

以下のリンク先から各セッションにお申込みの上、ぜひ参加してほしい。
 
 
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古田島大介

ライター
2014年2月に「The life always new」をコンセプトにCINDERELLAを創業。ジャンルに問わず、キュレーションメディアやSEOライティング、タイトルワーク、記事ネタ出しなどに携わる。 最近では取材ライターとして国内外の観光スポットやイベントに足を運んだり、企業ブランド・サービスのインタビュー取材を主に従事。 またSNSや繋がりのあるPR会社から送られるプレスリリースをもとに、執筆依頼をいただく場合もあり、活動は多岐にわたる。 モットーはメジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ること。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に社会のA面B面を深堀していく。
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